そして、今日、学校の帰りに病院に行かなきゃいけない。
お姉ちゃんに付いてきてもらうのも、お姉ちゃんの負担になるかなって思って、一人でいくことにした。
診察だけの日でも、病院についたら、泣きたくなるのに、今日は、注射しなきゃいけない。こんな時に限って、熱も無いし・・・

診察室前で待ってたら、「松山美奈さん、2番の診察室にお入りください。」って呼ばれた。
どうしよう・・・行かなきゃって思ってたら、2番の部屋から慶太が出てきた。
「松山美奈ちゃん、こっちに入ってね。」って他人行儀に呼びにきた・・・
しょうがなく、立ち上がって、付いていった。

診察室に入ったら、すぐ、体温計を挟まれて、熱をはかりながら、「問診票は、お姉さんが記入してくれてるからね。今日は一日、元気だった?」って聞かれたから
首を横に振りながら「注射があるのに、元気でない・・・涙」って言った。
「美奈は、しょうがないなぁ。」
そのとき、ピピピッって体温計がなった。
36度5分。完全に平熱。
「胸の音きくから、前あけてね。大きく、息して・・・吸って・・・吐いて・・・はい、いいよ。のど見せてね。あーん・・・はいオッケー。じゃあ、予防接種しようね。左腕がいいかな?袖、めくれる?」
って言いながら、慶太が袖をまくってくれた。
注射を看護師さんが持ってきて、私の腕を固定した。