お医者さん嫌いなのに・・・

月曜の朝、クリニックで受付の準備していたら、ビシッとスーツを着たお姉さんが来た。
「おはようございます。どうですか?」
「おはよう。美奈ちゃん。だいぶ、元気になったわ。ここに来ずにそのまま仕事に行こうかと思ったんだけど、一応きてみた。」
「そうなんですね。早く良くなってよかったです。問診表なんですが、書いてもらえますか?」って言いながら体温計も渡した。

次々、患者さんが入ってきて、あっという間に待合室の椅子が8割くらい埋まってしまった。月曜の朝はいつも早くから混雑する。
それだけ、土日とかに体調崩して月曜を待ってた人が多いってことだけど。
慶太から、診察開始の指示が出された。開始時間より30分早いけど、混んできたから、診察始めるみたい。

一番の患者さんは毎週月曜に来てる同じマンションに住んでるおばあさん。
「おはようございます。お変わりないですか?」
「はい、先生、おかげさまで、大丈夫です。」
「じゃあ、ちょっと診察しますね。」って慶太が一通りの診察をして、いつもと同じ薬を出すこと、来週は定期的にしている血液検査になることを説明して診察が終わった。

2番目がお姉さん。
「おはよう。あれから、どう?熱はないね。お腹はどう?」
「おはよう。吐き気はなくなった。お腹も大丈夫。」
「うん。下痢とかしてない?」
「うん。大丈夫。」
「一応、ベッドに寝てくれる?お腹だけ診ておきたい。」
お腹を押さえたり、お腹の音を聴いたりして「お腹の風邪だって言ったけど、ストレスからくるものだったのかも。心当たりある?」
「そりゃ、働いてたらストレスくらいあるよ。土曜も接待だったし。」
「うん。あんまり無理せず、身体を大事にしてやってよ。じゃ、良くなってるみたいだし、薬は出さなくて良い?」
「そうね。もらえるなら、頭痛薬ほしい。今、痛いわけじゃないけど、時々、痛くなるし。」
「わかった。ロキソニンでいい?頓服用に出すけど、続けて飲むときは相談して。」
「ありがとう。」

お姉さんは受付で会計しながら「美奈ちゃん、今度一緒にショッピング行こう?この前は一緒にご飯も食べられなかったし。」
「はい、ぜひ、連れて行ってください。」