『先生…あたしも、好き』 「ん、知ってる」 それだけ言って、あのときと同じように優しく抱きしめてくれた。 あたしも先生の背中に腕を回す。 幸せ、幸せ。 二年ぶりの先生の温もり。 二年ぶりの先生の匂い。 幸せが抑えきれない。 「絵美」 その声に顔をあげる。 先生の唇が、あたしの唇に触れた。 ―…もう春だからかな。 なんだか、とても暖かく感じた。 【さくらが咲く頃に】Fin...