どれくらい時間が経ったのか、わからないけど。 絵は確実に完成へ近づいていた。 あと少し、あと少し… 今までどうしても作れなかった、満足のいかなかった花びらの色もあっという間に作れてしまったし。 どんどん右手が動く。 前までが嘘のように、止まることなく動くんだ。 『で、できた!よかった…』 後は細かいところを修正して、影とかを付けて… 「永見?」 特に悪いことをしたわけでもないのに、あたしは肩をビクッと震わせた。