「ははっ!きれいって、永見、まだ色作っただけだぞ?」
先生はそう言って大笑いしてる。
でも、ほんとにきれいだって思ったんだもん。
笑われたあたしは少しだけ
拗ねた表情を作ってみた。
すると先生はゆっくりとあたしの前に来て、またあたしの頭の上に優しく手を置いた。
「じゃあ、この色を永見の好きなように使ってみろ。
絶対にお前らしい、きれいな蝶が描けるから」
そう言って優しく、あたしの髪をくしゃくしゃにした。
『わっ!せ、先生!』
頬が、絶対赤い。
あたしは照れているのを隠すように、そう言って下を向いた。
「ははっ!永見なら大丈夫だから自分らしくがんばってみろ。
じゃあ、俺は準備室にいるからなんかあったら呼んで」

