ちょっと。 いや、すごくうれしい。 …でも。 『あたしの絵なんかで、いいんですか…?』 もっと上手な人なんてたくさんいるのに。 しかもまだ描き終えてない絵なんかを。 「お前の絵がいいんだよ」 そう言ってニカッと笑う先生は きっと嘘なんて言わない。 だから余計にうれしい。 うれしさと恥ずかしさから自然と頬が赤らむ。 「だから春休み中に描き上げてほしいんだ。 もちろん、永見の空いているときでいいからな」