あたしは色を塗った画用紙をぐちゃぐちゃにして美術室のゴミ箱へ放り込んだ。


そしてまた新たに画用紙を取り出す。

あたしの愛用の鉛筆を取り出し
また下書きを描く。


咲いていない桜の花の部分は、
ほとんど先生の絵を思い浮かべて描いた。



一つ一つ丁寧に、そして繊細に描かれていた花びらたち。

思い浮かべることは簡単にできるけど。
いざ自分が描くとなるとかなり難しい。




きっと、それは先生だからこそ描ける絵だから。