7月下旬
もうすぐ夏休みだとみんな浮き足立っている。
部室から眺める景色は今日も綺麗だ。
夕日を背景に運動部はひたむきに練習している。
林君を知ったあの日から私は彼を目で追うようになっていた。
うわぁ今日もぶっちぎり。
かっこいいな。
「また林君見てんの?」
と、えり
「うん。かっこいいなーて」
「最近教室でも目で追ってるよね」
「え、そう?」
(あ…陸上部終わった…。)
「好きなの?」
「…わかんない。」
「うーん林君ねー」
「ねー。」
「てか里奈掃除場所同じよね」
「うん。先生が林ちゃんって呼びよるけん私もそう呼びよるよ~」
「おー進歩」
「アド聞こうかな」
(うわっこっち来てるー)
「あたしが聞いてやろっか~?」
と、汐莉が言ってきた。
汐莉は騒がしい。あまり好きなタイプではないが何故かなつかれている。
「いやいいわ」
(うわぁ手振ろうかな)
「えーいいじゃん聞いてあげるよー」
「はぁ。うざい。」
(よく言った!よく言ってくれたえり!!!!)
「えりひっでぇ…。あ、林ちゃーん」
汐莉が林ちゃんに手を振った。
なにこいつ。
(あ、こっち向いた!超真顔じゃん)
「うはっ汐莉どんまいめっちゃ真顔じゃん」
と、えり
ズバズバ言うなー(笑)
よし!私も振ろう
「林ちゃーん!ばいばーい」
『うん!ばいばーい』
満面の笑みでそう答えた君に…私は落ちた。
君の笑顔に一目惚れした。