それほどにシイラの表情は清々しい。

「そんなに大切なものなのか?」

「ドワーフの命、だね。」

「…なるほど。」

断言されたことにリトも似たような気持ちを思い出した。

それ故にシイラの気持ちがよく分かる。

「ではそれは任せて後は引き受けた。」

「あ、リト。」

荷物に手を伸ばそうとするリトを止めてシイラは続けた。

「この荷物たちも凄く大切なものなの。」

その言葉の意図が分からずリトは固まってしまった。

シイラの真っ直ぐな視線は嘘を許さない。

「…預かっても、いいんだな?」

その言葉はシイラだけに向けられて発せられた。

オーハルは黙ったまま行く末を見守っている。

リトは余裕の笑みを崩さないままシイラの視線に答えていた。

「信じてるから。」

シイラの言葉にオーハルは何か言いたそうに強く反応し、リトは目を丸くして笑い声を上げた。