目だけで人数や位置を確認し、シイラとは対照的にオーハルはより警戒心を強めていく。

シイラを囲う腕に自然と力が入った。

降って現れた者たちはリトの後ろに付くように並んでいる。

薄暗くて顔はよく分からないが、結構な人数がいることは間違いなかった。

「リト。」

代表するように女性がリトに指示を求める声を出してくる。

彼女が近付いてくることで更にオーハルの気が高ぶった。

「この2人は問題ない。俺が預かるから、皆は他を見てきてくれないか?」

受け答えを見る限り、リトは何かの集団に属していて、しかもリーダー的存在だという事が読み取れた。

リトの指示に了承の返事をすると、一気に現れたメンバーはそれぞれその場から離れようとする。

「あ、やっぱちょっと待って!」

しかし思い出したようにリトは全員を引き止めた。

「どうしました?」

さっきの女性が不思議そうに声をかける。

「ちょっとゴメン。」

片手を出してそう断りを入れると、リトはシイラとオーハルに視線を戻した。