そこには身体を預けるように樹の幹に手をついて、俯き息を整える彼女がいる。
その時初めてオーハルも周りの薄暗さに気付いたようだった。
「もうこんなに…。」
辺りの様子を伺っている間にシイラが距離を縮めてオーハルの前に辿り着く。
「ごめん、大丈夫。」
さっきまでとは違い、笑う余力もないほど切れ切れとした言葉で謝った。
顔を上げる事でさえも出来ないくらいの疲労がシイラを蝕んでいる。
「行こう、急がなきゃ。」
「シイラ…。」
オーハルはただ歩く事に集中し過ぎていてシイラの異変に気付かなかった自分を責めた。
おそらく知らぬ間にペースを速めて歩いていたのだろう。
シイラと自分との体力の差や歩幅を考えて進めていた筈なのに、いつの間にかそれを怠ってしまっていた。
肩を揺らして呼吸をする彼女はどう考えてもこれ以上進める状態ではない。
オーハルはもう一度周囲を見渡して状況を判断した。
もうちょっと進んだ所に休めそうな場所がある。
「シイラ、こちらへ。」
荷物を担いでいない方の手でシイラの手を引いて、休めそうな場所へと誘導した。
その時初めてオーハルも周りの薄暗さに気付いたようだった。
「もうこんなに…。」
辺りの様子を伺っている間にシイラが距離を縮めてオーハルの前に辿り着く。
「ごめん、大丈夫。」
さっきまでとは違い、笑う余力もないほど切れ切れとした言葉で謝った。
顔を上げる事でさえも出来ないくらいの疲労がシイラを蝕んでいる。
「行こう、急がなきゃ。」
「シイラ…。」
オーハルはただ歩く事に集中し過ぎていてシイラの異変に気付かなかった自分を責めた。
おそらく知らぬ間にペースを速めて歩いていたのだろう。
シイラと自分との体力の差や歩幅を考えて進めていた筈なのに、いつの間にかそれを怠ってしまっていた。
肩を揺らして呼吸をする彼女はどう考えてもこれ以上進める状態ではない。
オーハルはもう一度周囲を見渡して状況を判断した。
もうちょっと進んだ所に休めそうな場所がある。
「シイラ、こちらへ。」
荷物を担いでいない方の手でシイラの手を引いて、休めそうな場所へと誘導した。



