しかしすぐにまた厳しい顔付きに戻ってしまう。
「行きましょう、右手の方に門は在る筈です。」
立ち上がり歩くようにシイラの腕を引っ張って促した。
浅い茂みの中を歩き始めてもシイラの定まらない感情は治りはしない。
大きな石や岩がごろごろしている足場の悪い道に何度も態勢を崩して転びそうになった。
「気を付けてください。」
「う、うん。」
山道ではないからと油断はできない。
そう心の中で呟くとシイラは気合いの息を吐き出した。
茂みを抜けた壁添いは平坦な道になっている。
しかしオーハルは出ようとはしない。
なんとなくシイラも歩いてはいけないような気がしていたから構わないのだが、やはり気になった。
だからだろうか、足元の注意を怠ってしまった。
シイラの小さな悲鳴が響く。
何度もオーハルの腕に伝わる微妙な衝撃。
それはオーハルが掴んだままの、シイラの腕からの波だった。
「行きましょう、右手の方に門は在る筈です。」
立ち上がり歩くようにシイラの腕を引っ張って促した。
浅い茂みの中を歩き始めてもシイラの定まらない感情は治りはしない。
大きな石や岩がごろごろしている足場の悪い道に何度も態勢を崩して転びそうになった。
「気を付けてください。」
「う、うん。」
山道ではないからと油断はできない。
そう心の中で呟くとシイラは気合いの息を吐き出した。
茂みを抜けた壁添いは平坦な道になっている。
しかしオーハルは出ようとはしない。
なんとなくシイラも歩いてはいけないような気がしていたから構わないのだが、やはり気になった。
だからだろうか、足元の注意を怠ってしまった。
シイラの小さな悲鳴が響く。
何度もオーハルの腕に伝わる微妙な衝撃。
それはオーハルが掴んだままの、シイラの腕からの波だった。



