刹那はたぶん私のために物珍しいものが並んでいる通りを歩いてくれたんだと思う

市場には見たことの無い野菜や果物が並んでいて面白かったし

可愛い食器も見れてちょっと笑顔になった


妖精モチーフが多いのがめちゃめちゃ私好みでうっとりしてしまった



「この国って精霊信仰とかなの?」

『いや、そうじゃなくて
この国の王女様が結婚したからその人を妖精に見立ててお祝いしてるってところ
もう半年ぐらい前だから熱も冷めつつあるけど』


そうか、この可愛いモチーフは王女様のためってことか

なんだか微笑ましいなぁ…


あと、途中でお菓子も買って貰った

やっぱり暑い所だから氷菓子や果物を使ったお菓子のバリエーションが多いみたい


私が食べたのはシャーベットみたいなアイスの上に、ぱちぱちした泡みたいなのが乗っていた

味はイチゴみたいな感じ


これでちょっとお腹が満たされたけど
丁度お昼時だったので
食事を食べる事にした



ランチタイムで少し込んでいたけど
パラソルの付いた屋外に置いてあるテーブルでご飯を食べた

ちょっと酸味のあるソースとお肉がよく合っていて美味しかった
出てきたパンは前に食べた米粉のパンにもちもちの食感が似ていた



「そういえばさ、この国がどんなところかまだ全然聞いて無いんだけど…」

私はお肉の横に添えられていた赤いのにジャガイモみたいな味がするソテーを頬張りながら尋ねた


『あれ?言ってなかったっけ?
ここは南に位置するアクレインと言う国で、その中でも水の都と言われる城下町フィードだ
観光と農業で賑わっているなかなか裕福な国でそれなりに治安もいい
国王はまだ代替わりしたばかりで若いが、魔道に優れた賢王と、中々の評判
後は?何か聞きたい事ある?』


「う、ううん!なんとなく分かった!ありがと」


…やっぱり、治安とかそういうの考えて連れてきてくれたのかな

だって、凄く詳しく知っているし…


「それでさ、この後どうするの?」

『うーん…人と会う約束があるのは3時からなんだよなぁ
まだ少し時間があるし…海にでも行ってみるか』


「やったー!ビバ海!!」


こっそりと鞄の中に水着を忍ばせていたかいがあった~!