ガラララ・・・
教室に入った。

「来た、あかねぇ!!!」
ああ、あのメールは全員に送信されてるんだっけ。

「ねえ、あの彼氏誰?」「年上?先輩??」「てかめっちゃラブラブじゃね」「彼氏イケメン?てか背高くない?」
次々に質問が飛んできた。

「彼氏じゃない、年上(年齢はあえて言わない)、ラブラブじゃない!!イケメン?たしかにイケメンかも♥じゃなくてっ!!!!」
一気に返したから疲れた。
みんな若干引いてる。

すると、舞が答えた。
「違うんだって、ナンパされただけらしいよ。しかもにじゅう・・・」
「あーーーっ!!!」

「にじゅう?」

みんなが口をそろえて言った。

「ちょっと!」
あかねは舞を教室の端に連れてきて、コソコソ話をした。

「なんで、なんで秘密なの?」
「だって、舞みたいに大爆笑するだろうし・・・」
「そんなのわかんないじゃん、うちが関西人だからかもしんないじゃん」
舞は関西生まれ。
小学3年生まで大阪で暮らしてたらしい。
だから、たまーに関西弁が混じることがある。

「だけど、24歳にナンパされたなんて、言えないよ!!」
「なんでよ、いいじゃん、誇らしいよ?親友としては」

「なにこそこそ話してるのかなぁ?」
そう言ってきて中に入ってきたのは英李だ。
メールを一斉送信した張本人!

「英李!!!」
そうだ、私はコイツ(英李)をしとめなくちゃいけない。
なぜなら、画像をもっているのは英李で英李はその画像を誰にでも見せることができ、送ることができる。
これ以上「桜井あかねが年上(24歳)の男とマクドナルドにラブラブで入っていく画像」を広められたら困る!!!

「なんであんな画像みんなに送ったのよ!!」
「なんでって、だぁってあかねって彼氏いないと思ってたから誰なのかなぁって気になっちゃって。みんななら知ってるかなぁって。情報を求めただけ」
そんなの・・・

「私に直接聞けば済むことでしょ?」
「てかなんでそんなになんか焦ってるの」
冷静な口調で英李がいうので、動揺した。

「え、あそれは」
「その男の人となんか秘密でもあるの?」
「うっ・・・」
正直、やましいことも秘密もない。24歳ってことは言ってないけど。

「ちゃんと言って?うちら友達になれたんだよね?」
「・・・」
英李はただ噂が好きなだけじゃないらしい。
本気で、私のことを友達だと思ってくれているから、秘密がいやなだけなんだ。

「あのね、みんな・・・」
「そんなことどうでもよくない?」

そういったのは、男子の榊 新次(さかき しんじ)だった。