元橋結紀。
不思議な人だ。
確かに、私より大人だし私より沢山恋愛を知っている。
だけど、私より非常識だし私より子供。
なのに自然と打ち明けたくなる。まだ出会って少ししかたっていないのに。
きっと、この人根はいい人なんだ。
友達もたくさんいて、みんなの中心的存在なんだろう。
この人がもし同級生だったら。
私はコロっと恋に落ちていたかもしれない。
やっぱり、年齢差は大きなカベだった。
「じゃあね、また今度!!」
「あ・・・うん」
「ばいばーーい」
「・・・」
あかねは結紀に、家の近くまで送ってもらった。
家まで送ってもらったりしたら、結紀に家を知られてしまう。
正直、まだ警戒心はほどけていなかった。
なかなか長い間話をしてた。
もう外は真っ暗。
早く帰らないと・・・。
ガチャッ
家のかぎを開け、中に入る。
「ただいまー・・・」
すると、リビングからお母さんが出てきた。
「おかえり、遅かったね」
「あ・・・うん。ごめんね」
「カラオケ楽しかった?」
「え・・・うん!」
正直、カラオケ行った帰りにあったことのほうが衝撃的すぎてカラオケの楽しさのことなんかあんまり覚えていない。
「ご飯、あと少しでできるから、まっててね」
「はぁーい。」
そういいながら、あかねは二階に上がった。
あかねの家は、あかねと、あかねの母と父の3人家族。
父は帰ってくるのがいつも遅いので、母と二人で夕食をすることが多い。
あかねは、お母さんが大好きだった。
中3高校受験の時も、いつも応援してくれていて
合格した時も、一番喜んでくれたのはお母さんだった。
マザコンとまではいかないけど。
娘として、お母さんを尊敬してた。
正直、お父さんはあまり好きじゃない。
むしろ苦手。
お父さんは、ヘタすると一週間くらい話をしないことだってある。
あまり、お父さんとの思い出もない。
だから、余計お母さんを好きになったのかもしれない。