「…ちょっ、マジで恐いから
そんなに睨むなよ」



芽衣が誰に告られようが、
俺が口を挟む必要なんて
ありはしない。

はあ――、とワザと大きく
ため息をついてさっさと
行こうとした。





だけど、拓真が呟いた言葉が
俺を違う方向に動かす。



『あっちってさ、体育館裏だろ??
芽衣ちゃんかわいいから、襲われてたりして～』



俺の体は体育館を目指して
勝手に走り出していた。