俺の言った言葉に
こいつ、嫌味言ってんの!?
みたいな顔をして、俺の顔を
見てきた。
その瞬間、さっきまで忘れかけていた記憶がよみがえった。
―――この子は確か、
3年前に親父の事務所に
見学に来ていた子
“結城芽衣”
「…お前、もしかして…結城亜衣の妹って噂の芽衣??」
そう聞いたらその子の顔が
急に曇って、うつむいて
しまった。
「…あんたも、同じなんだね。」
「は??」
言われた言葉の意味が分からない。
同じって何がだよ??
訳わかんねぇよ…
でも、目の前から立ち去ろうとするその子の腕を無意識に掴んでいた。
…俺は芽衣に、いなくならないで欲しかったんだ

