ふと、音が聞こえ、リビングのテレビがついていることに気がついた。
え…………?
その長方形の中には、ある人が記者に囲まれて、マイクを向けられ、記者の質問に答えていた。
わたしもよく知っている人。
葵ちゃんに促され、リビングの腰に座り、テレビを見る。
『お相手は誰なんでしょうか?他会社の社長令嬢ですか?それとも………』
お相手?なんの?
内容が掴めなくて、テレビの右上を確認する。
え…………?
うそ…………
『彼女の身元は、社長にお聞き下さい。私が話して良いことではないので。
ですが、彼女は私達にとっても大切な方です。もちろん、会長も奥様もそうお考えです。
重役の方達は皆、二人の結婚を祝福しています』



