☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】




今何を言っても、きっと無理だ。




三津木社長が珠莉の母親を………自分の姉を失った悲しみはそれほど大きい。





「三津木社長、また来ます」



と、一礼をした。



顔も向けなかった三津木社長の耳に届いていたかはわからない。




だけど、もうこれ以上長居は出来ないと思い、珠莉を連れて部屋を出た。






「どうして部屋出たの?」



「あの様子じゃあ、今日は何を言っても無駄だと思ったからだ」





珠莉も何となくわかっていたのか、俺が言うと納得したように返事をした。





「でもさ……」




歯切れの悪い声を投げかけてきた珠莉に視線を送る。




「これからどうするの?」



首を傾け心配そうに俺を見る珠莉。





こんな状況で、あれだけど…………愛おしい。




その顔は反則だろ…………