「よし、じゃあ行くか」



わたしの発言した言葉に頷いた翡翠は、頬に軽く唇をあててそう言い、立ち上がった。





「ひ、翡翠………降ろして………」





翡翠はわたしを抱えたまま歩きはじめた。




さすがにこれじゃあ、廊下を歩くのも恥ずかしいし、結治さんのところには行けないよ。






「ああ、そうだった」






翡翠は忘れてたとでも言いそうな口ぶりで、わたしを降ろした。




ちょっと………忘れないでよ。





それから手を繋ぎ、二人で部屋を出て結治さんのところへと向かった。