翡翠は、子どもをあやすみたいに、わたしの背中を優しく撫でた。
「珠莉………それは……出来ない」
「ど…して?」
わたしは結婚出来なくても、翡翠と一緒にいれればいいと思う。
どうして出来ないの?
「確かに珠莉の言う通りに結婚しなくても一緒にいられる。
だけど、籍を入れてなかったら、この子の親は、父親か母親がいないことになるだろ」
翡翠は顔を上げたわたしのお腹に視線をやり、そこに優しく手を添えて言った。
「それに……この子はみんなから祝福されて産まれてきて欲しい」
まだ翡翠の手はそのままで、視線だけわたしに移し、やつれた顔で微笑んだ。
「そのためには俺達のこと、認めてもらうしかないだろ?」



