「何かあったの?」
葵ちゃんの様子からしてあんまり騒ぐようなことではないのかな………そう、思っていた。
「今、黒崎社長が来ているの」
…………え?!
「翡翠が?!」
「うん、だから珠莉ちゃんを呼びに来たの」
「ありがとう!」
わたしは葵ちゃんに礼を言い、ベッドから立ち上り、部屋を飛び出した。
そういえば今日、翡翠が来る日だった。
いろいろ考え過ぎて、忘れてた。
「翡翠!」
いつも翡翠と会う部屋に行くと、翡翠はソファーに座っていた。
「珠莉………」
わたしに顔を見せた翡翠は、また……………この前よりやつれていた。
「翡翠」
わたしは翡翠に近寄り首に腕を回し抱き着いた。



