わたしは翡翠の腰に腕を巻き付け、キュッと抱きしめた。
「でもね、やっぱり寂しかった………」
「寂しかったのか?」
ぽろっと出てしまった本音を、翡翠が見逃すわけもなく優しい口調で聞き返してきた。
「うん………」
一度言った言葉はもう言い逃れ出来ないと思って、頷いた。
「ごめん」
そう言って翡翠もまたギュッて抱きしめてくれた。
顔を上げると大好きな人が優しい笑顔でわたしを見下ろしている。
わたしも自然と笑顔になる。
すごく幸せ………
「珠莉………キスしていいか?」
少しためらいながら聞いてきた。
トイレで断ったからかな?
さっきうがいしたし…………
「わたしも………したい」



