申し訳なさそうな顔をする熊谷。



「ごめん…………」




そして、ギュッと抱きしめられた。



頭が働かない。
なんて言えばいいのかわからない。


そんなわたしに熊谷は言った。



「でも、今の俺は違う」




たしかに、昔の熊谷と今の熊谷は違う。


昔みたいにあんなことしなくなった。




「俺はもう、ユリを傷つけたくない。守りたいんだ。
今日も…………本当はあいつに会わせたくない。
なあ、ユリ…………」





静かに熊谷は言う。




「あいつの子どもでもいい。
だから………俺と一緒にいてくれないか?」




え……………?




「俺に守らせてくれ」