☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】




「珠莉は………?」



『さあ?知らないわ』



とくすくすと笑い出す、電話相手の女。




『まあいいわ、教えてあげる。
今、翡翠さんの大事なものはわたしの別荘にいるわ』



やっぱり………こいつが…………





『連れて行ったのはわたし。でも、残るって決めたのはあの子よ』




「は…………?
意味わかんねぇ」



『本当よ。
翡翠さんと別れたくないからここに残るって』



「お前が………そうなるように仕向けたんだろ」



『そうかもしれないわね。
けど、翡翠さんのせいでもあるんですよ?』



俺の………?





『さっき言いましたよね。
翡翠さんと別れたくないからここに残るって言ったって。
それはある意味、翡翠さんのためでもあるんですよ。
それに、翡翠さんはいくら頼んでも会わせてくれなかったじゃないですか』