「はい。社長室です。
――――はい。―――――え……………?」




俺は気にせず手を進めていたが、電話の相手から妙なことを言われたのか、珍しく理恵が困ったように言ったからそっちを見た。



「少々お待ち下さい」




そう言うと、理恵は俺の方を見た。





「社長…………」




こういう時だけ社長呼ばわりしやがって…………




「なんだよ?」



「受付からなんですけど……………
三津木コーポレーションの社長がお見えになったそうです」




少し躊躇いながら言った言葉に驚いた。



「三津木………?
なぜ………?」




うちの会社と三津木コーポレーションは全く関わりがない。



どっちかって言うとライバルだ。




「わからないです。
でも………珠莉ちゃんに会わせろって…………」