女の人の大胆さにフリーズしてから、数十秒。



わたしは立ち上がって、ドアに手を伸ばした。




勝手に泊まることにされちゃう。


それは困る。




音を立てないように静かにドアを開けると、女の人は廊下で電話をしていた。





「………ま、家に帰りたくないみたい」



女の人はすぐにこっちに気付いて、携帯を持っていない手の人差し指を口に持って行き、静かにっていう合図をした。




「そういうことで、今日はうちに泊まらせるから。
じゃあ」



『はぁ?!おい!!』



電話を切る間際に翡翠の声が聞こえた。




「これでよし!
珠莉ちゃん、今日はうちに泊まってね」




女の人は笑って言ってるけど………断ったら恐そうなので頷くことにした。





「よし!
じゃあ早速、ご飯を作りましょう。
珠莉ちゃんも来て?」