もうそんな時間なの?!



「あ……わた………帰…っ!」


わたしはベッドから下りて立ち上がった。



帰らなきゃ!!




―――――帰るってどこに?





駆け寄ってきた考えを振り払う。




きっと……心配してる!





―――――誰が心配してるの?




翡翠が…………




―――――ほんとに心配されてる?





わたしはいつの間にか、上げた腰を今度は床に下ろしていた。




「どうしたの?大丈夫?」



女の人は床に座り込んだわたしに近寄って、静かに優しく声をかけてくれた。




「あの………わたし………」



それだけ言うと、女の人は穏やかに微笑んだ。



「家に帰りにくいの?」




本音を言われて驚いたけど、わたしは小さく頷いた。