「珠莉……なんで俺が怒っているのか………わかるか?」
「………わ、わかんな…い」
顔を抑えられて動かす事ができない珠莉は、言葉にして答えた。
「……社長室、出て行ったあと何処に向かった?」
そう言うと珠莉は気がついたのか、瞳を見開き、そして言った。
「ご、…めん……なさ、い……」
「何をしようとしたのか……はっきり言え……」
「…………」
いらついている俺の口調はきつい。
珠莉の瞳は揺れ始めていた。
「………わ、わたし……つらかっ…た………翡翠に……触れられない生活が………だから…………」
そこまで言って言葉に詰まった珠莉。
言いにくいことならどうして………
「だから?」
俺は促すようにそう言った。



