聖真さんのお父さんは元々は優しい人だったのかな…………
あの時のしか会ったことないからわからないけど。
「本当はみんなでここに来たかったけど、母さんはどこにいるのかわかんないし、姉貴は渉さんがいるし………父さんは刑務所だし………俺一人で旅行しに来た。
でも、来てよかった。
珠莉ちゃんと会えて、しかも、デートまでできたしね。
今日行ったところは俺が好きな……というかオススメの場所かな」
聖真さんは明るく言うけど、やっぱりどこか寂しそう。
「聖真さんって………家族思いなんですね」
「そんなことないよ」
聖真さんはそう言うけど…………
すごく家族が好きなんだ。
家族と旅行したところに一人で来るくらいだもん。
なんかちょっとうらやましい………
「またいつかここに来られたらいいですね」
「そうだといいけど……」
「絶対、大丈夫です!
お母さんもきっと見つかりますよ」



