☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】




「ちょっと歩こう」



手を引かれ砂浜に下り、波際を二人で歩いた。



裸足で。




「ここに昔来た事あるって、言ったよね?」



その質問にわたしは頷いた。




「家族で旅行する時はいつもここで、小さい時はよく来てた。
だけど、俺達が成長すると、旅行もしなくなって…………2年前、久しぶりにここに家族で来たんだ。
だけど、四人で旅行が出来たのはそれが最後だった………」





そこまで言うと聖真さんは切ない顔になった。




最後って…………





「旅行から帰った次の日、母さんが家を出て行ったんだ…………理由は、わからない」





聖真さんはわたしの手を握る力を強めた。


そんなこと………あったんだ………





「母さんがいなくなってから、父さんは変わってあんなことになっちゃったし…………」