「お金?いいよ、そんなの」
そんなのって…………
さすがお金持ち………
無理矢理着せられたけど、一応わたしの服なわけで。
しかも、この服………意外と高くて五万くらい。
今の持ち金じゃ無理だけど………
「せめて半分くらい払わせて下さい」
「いいよ、デートしてくれるお礼に……ね?」
「でも…………」
聖真さんはそう言うけど、お金とそれは関係ないよ………
「あんまり気にしないで。
俺が好きでやってるんだから。
それに、俺が欲しいのはお金じゃなくて……………」
そこまで言って、聖真さんはわたしをジッと見た。
何が欲しいんだろう?
それから聖真さんはフッ……と笑い言った。
「お金はとにかくいいよ。
そんなに気にするんだったら、キスしてよ」
そ、それは………
さすがに………



