慌てて服を押さえて、そう言ったけど………
「残念、失敗♪
あと少しだったのになぁ〜」
と、聖真さんは一人で楽しんでいた。
翡翠………
早く来て………
わたしダメだ……
すぐに気を抜いてしまう。
「珠莉ちゃんってば、冗談なんだからそんな顔しないで」
……………
「怒った顔もかわいいんだけどね〜、珠莉ちゃんは。
まあまあ、とりあえずこの服に着替えてね♪」
そう言って聖真さんは試着室を出て行った。
聖真さんのじゃなかったんだ………
それはそれでよかったんだけど………
わたしが着替えるの?
これに?
試着室に置かれた服を見ると、わたしが着たことのないような服だった。



