「これを着とけ」



翡翠は自分が着ていたパーカーを脱ぎ、わたしに着せてくれた。


翡翠の匂いがする………





「ありがとう………
でも……翡翠は?」




翡翠も水着に着替えていて………
目のやり場に困った。



「もう一つあるからいい」



翡翠は旅行鞄の中からパーカーを取り出し、それを着た。






「ねぇー珠莉ー?」




茜が待ってる!




ベッドから下りて扉の方に向かおうとすると、翡翠に腕を掴まれた。




「翡翠?」



今度はなんだ?




「パーカー、絶対脱ぐなよ」



「え?どうして?
それじゃあ海に入れないよ」



海に来たのに入れないなんて………




「パーカーは濡れてもいい………
だけど、脱ぐな。
脱いだ時は……………覚えとけよ………?」