「あ、あと一つ言わなきゃいけないことが………」
「なんだ?」
「えっと……章ちゃんのことなんだけど……」
珠莉の体を離し、視線を合わせる。
その話は………
「そいつの話はするな……
知らない男の話は、聞きたくない」
聞いたら、どうなるかわからない。
「違うよ」
「何が違うんだ?」
珠莉は何が言いたいんだ?
「章ちゃんは翡翠も知ってる人だよ」
「は?知らねぇよ」
ショウっていう名前のやつは知らない。
「知ってるの!
いつも一緒に行ってるのに」
「どこに?」
「カフェ」
そこまで言われてやっと気が付いた。
「…………て、まさか……」
「そうだよ、章ちゃんはカフェのおじさんのこと」
俺は頭を抱えて座り込んだ。
ありえない………
俺は頭を激しく掻いた。



