☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】




「それはわたしにじゃなくて、珠莉に言って下さい」


そうだな……



「わかってる……
珠莉はどこにいるんだ?」


"翡翠"




一瞬、珠莉の声が聞こえた。

後ろを見ても誰もいない。


空耳か…………重症だな。



「珠莉は…………どこでしょう?」



「お前…………ふざけんな………」




こいつ絶対楽しんでいやがる。




「ここまで来たんなら、自分で捜したらどうです?」



こいつ………



「うわっ!」

「きゃあっ!」




さっきから廊下が騒がしい。


気になって角から覗いてみた。




「珠莉?」




珠莉が男の上に倒れ込んでいた。


俺にとってはものすごく衝撃的な光景。




珠莉が見つかったのはいいが………なんでそうなってんだよ………



「きゃっ!」



珠莉が立ち上がったところで、腕を掴んだ男。




「待ちなさい。
どこに行こうとしてるんだ」




気安く珠莉に触ってんじゃねぇ………



「おい……」



「あ、社長。
いいところに………」



「そいつを離せ……」



「え………?」