連れて来られたのは、廊下の隅。
「なんだよ……話って」
「何の事かくらい………わかってるくせに……」
珠莉の事っていうのはわかってる。
苛立ちながら紺野は話出した。
「この会社の社員としてじゃなく、珠莉の親友として言わせてもらうけど…………珠莉のこと、傷つけるなら別れて。
好きでも、珠莉のこと傷つけてるんだったら意味がない」
そんなこと…………言われなくても…………
「うるせぇ……わかってるよ!」
俺は壁を殴った。
ドンッと鈍い音が廊下に響く。
「あんなに泣かせて………わかってないじゃん!」
「言われなくてもわかってんだよ!」
あの言葉でどれだけ珠莉を傷付けたのか、一番俺がわかってる。
それに…………
「本当は嬉しかったんだ。
プレゼントも珠莉が働いて買ってくれたってことも。
だけど、もし何か起きていたらっていうのと、嫉妬が強くてあんな事………」
珠莉の事になると、本当に余裕がなくなる。



