「理恵さん!」
「え?」
珠莉は焦り出して理恵の名前を叫んだ。
そんな珠莉を見て理恵は申し訳なさそうな顔をした。
「プレゼント……ってなんの事だ?」
珠莉も理恵も何も答えない。
「珠莉………こっちに来い」
珠莉を呼び立ち上がり、隣の会議室へと入った。
中に入り机に腰掛け珠莉を待つ。
入ってきたと思ったら、珠莉はボーッとどこかを見ていた。
「珠莉………」
珠莉は名前を呼ばれてハッとして、俺と少し離れたところに立った。
「プレゼントってなんだ?」
そんな珠莉の手首を掴み、距離を縮めた。
「あのさ、今日…何の日か知ってる?」
「今日?
7月14日………ってまさか………」
そこまではよかった。
だけど、珠莉の次の言葉で新たな問題が発生した。
「バイトして……翡翠にプレゼント買ったんだよ」
「バイト………?」
プレゼントの方ではなく、バイトの方に気が行ってしまった。
「バイト……してたのか?」
珠莉は俺を見て頷いた。
「なんで黙ってた……?」
「翡翠に言えば……反対されると思ったし………
それに………プレゼント……どうしても自分で働いたお金で買って喜んでもらいたかったから」



