「俺は嘘をつかない主義だ」 「そうなの?……ごめんなさい。今は手持ちがないの」 自分の部屋とはいえ、財布はもっと大事なところにしまってある。 私は両手をあげ、何も持っていないことを示した。 「ふうん……そうなんだ……」 男は徐々に歩みを進める。 後退りするものの、背中は壁にくっついている。 「な、何?」 少し怖い。 男は妖しく笑うと、手を壁につけた。