「何か……メルヘンチックだよね」

部屋を見回し、羽兎が一言。

青を基調とした部屋だ。

タンスも青。
ベッドも青。
まるで海の中にいるような錯覚に陥る。

「ここに入るときに、みんな好きな色を言うんだよ。
それで、部屋とか服とか全部決まる」

紘実が指を立てながら説明する。
彼女の説明を聞き、紘哉はあることを思い出した。