「すぐに分かるよ」 優しくて低い声から男の人だと判断できる。 その人は、ゆっくりと私のいる方へ近寄ってくる。 私はベッドに近寄り、枕を構えた。 「怖がらなくていいよ。別に怪しい人じゃないから」 「怪しい人ほど怪しくないって言うんだよ?」 「そうなのか……」 男は笑いながら近付いてくる。 月明かりが差し込み、徐々に男の全貌が明らかとなってきた。