名刺には『ヱリキ足り娘』と書いてある。 ハッキリ言って、読めない。 「……すいません、何て読むんですか?」 「『ありきたりこ』だよ」 「ありきたりこ?」 「そうそう。因みに、最初の『あ』は『あえ』みたいな感じで読んでね!」 「……」 厄介な人に捕まってしまった。 彼は名刺をポケットに入れ、頭を下げる。 そして、踵を返した。