* 今日はあまり調子が出ない。 場所が場所だからかもしれないと、自分を慰める。 「ねぇ、そこのお兄さん」 頭を冷やそうと、廊下を歩いていると声を掛けられた。 無言で振り向く紘哉。 そこには水晶玉を持っている女性が立っていた。 目元にベールが掛かっていて、顔がよく見えない。 彼女はピンク色のウェディングドレスのようなものを着ていた。 思わず紘哉は眼鏡を押し上げる。 もちろん、度は入っていない。