「家族が危険な目に遭ってるのに、何一つ守れなくて……」 「しょうがないよ。だって、お父さん偉い人だもん!」 「でも……」 「私、お父さんを誇りに思ってる。だからそんな顔しないで! そもそも、事件に首突っ込んだ私が原因なんだから。それに今生きてるんだからいいじゃん!」 龍二の背中に手を回し、嬉しそうに笑う羽兎。 やがて、二人は体を離した。 「……で、紘哉さんは?」 ずっと気になっていたことだ。 部屋を見回すが、どこにも紘哉の姿が見当たらない。