「だから何で戻ってくるんだ――」 紘哉のネクタイを引っ張り、背伸びする夏紀。 三秒だけ触れる二人の唇。 彼女はサッと離れると、ニッコリと微笑んだ。 「もし、死刑とか無期懲役じゃなかったら……あたし、紘哉と結婚する!」 「……」 「それじゃあ、ね」 夏紀は背を向けて、パトカーへ向かって歩き出した。 もう彼女が振り向くことはなかった。