夏紀が拳銃の引き金を引こうとしたその時。 「紘哉ぁ!伏せろっ!!」 どこからとなく聞こえる声。 言われるがままに伏せる紘哉。 その瞬間、パアンと乾いた音が部屋に響き渡った。 顔をあげて前を向くと、夏紀が右肩を押さえてフラフラと立っている。 すかさず彼女に駆け寄り、体を支えて拳銃を取り上げた。 「……春野夏紀。春野悠里殺害容疑及び、現行犯として逮捕する」 声の主――花形恵一は凛とした口調で彼女に告げた。