「……」 「その家族が殺されかけてる。どれだけ大変なことか、両親を亡くしたお前が一番分かってるだろ?」 「……っ」 夏紀の顔が険しくなる。 言いくるめられて悔しいのか、はたまた当時の情景を思い出しているのか。 やがて、彼女はか細い声で呟いた。 「だって……普通に会いに行っても、取り合ってくれないと思ったんだもん」 「俺はそこまで悪魔じゃねぇよ」