好きな男に囁かれ、反応しない女などいない。 紘哉の思惑通り、彼女はゆっくりと体を起こした。 「……毒リンゴを食べた白雪姫は、王子様のキスで目が覚めるのよ。知らない?」 「俺の知っているのは、死体を運んでいるうちにリンゴの欠片が飛びだして、白雪姫が目覚めると言うやつだが?」 「もうっ!ロマンが無いのね」 そう言って、小さく頬を膨らませる夏紀。 色々と変わってしまったものの、わずかながら六年前の面影も残っている。