階段を降りる。 羽兎はぐったりしたままだ。 早くしなければ手遅れになるかもしれない。 やっとの思いで外へ出た。 赤く染まった月が、紘哉達の真上に来ていた。 恵一が携帯電話を取り出し、震える手でボタンを押そうとしたその時。 「――ひーろやー!!」 どこからか彼を呼ぶ声がする。 二人は声のする方に顔を向けた。 「誰だ?」 暗闇に呼び掛けるも反応なし。 やがて、うっすらと人影が見えてきた。