真っ青になる恵一。 紘哉はコクリと頷いた。 「あんなに塔の周りうろちょろしてたのに……」 「まさに灯台もと暗しだな」 「ううん……眼中に無かったなんて……」 徐々に恵一の声のトーンが落ちていく。 まさか、こんな近くに幽閉されているなんて思いもしなかった。 ガタンとその場に座り込む恵一の腕を、紘哉が引っ張って立たせる。 いつになく真剣な目。 「ぐずぐず言ってる暇はない。行くぞ」 「……おう!」 紘哉と恵一は食堂を後にした。 時間はない。 羽兎はすぐそこだ。